ロマンスがありあまる
えっ、まさかの男ですか…?

そのことに固まっている私に、
「それまで娘の英恵が専務を務めていたんだけど、結婚を機に退職することになってしまってね」

社長が言った。

「あ、そうなんですか…」

私が呟くように返事をしたら、
「年齢は25歳だから、遠野さんとはそうたいして変わりはないよ」

社長が言った。

うーむ、年下ですか…。

私が秘書として働くことになるその専務が相当なまでのどら息子だったらどうしよう…。

社長の息子の全員が全員どら息子とは限らないけれど、どうしたらいいんだろう…。

「早速で申し訳ないんだけど、あいさつに行っても…」

「は、はあ…」

参ったな、あいさつか…。

まあ、初めて会うから一応するか…。
< 7 / 107 >

この作品をシェア

pagetop