ロマンスがありあまる
社長室を後にすると、その隣にある専務室へと足を向かわせた。

緊張するなあ…。

相手が初対面だからと言うのもあるけれど、あいさつに行かないと言う訳にはいかないよね…。

私は深呼吸をすると、コンコンと専務室のドアをたたいた。

「はい、どうぞ」

中から声が聞こえた。

テナーのその声は、声優なのかと思うくらいにいい声をしていた。

「失礼します」

私は声をかけると、ドアを開けた。

そこにいたその人物に、私は驚いて目を見開いた。

身長は、少なくとも180センチ近くはあるんじゃないかと思う。

長身で細身のその体型はまるでモデルのようで、スーツがよく似合っていた。

ゆるくウェーブがかかっている黒い髪は、生まれつきだろうか?

知的で男らしい感じがして、とてもよく似合っていた。
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