ドキドキ同居しています
「浮気じゃないけど……」

「私だったら、須王くんをこんなふうに不安にさせないのに。
須王くんを裏切ったりしないのに……」


こんなタイミングで、そんなこと言うなよ……。

俺は心の中でつぶやいた。


「私がなぐさめてあげる。
そしたら、彼女のしたこともお互いさまで許せるかもしれないよ?」


なんてやつだ。

惑わせるようなことばかり言って、弱ってる心の隙間に入ってこようとするなんて。


「須王くん、愛してる」

高橋さんが俺を抱きしめる。

「好き。大好き」

彼女が幸せそうに言うので、なんとなく突き放せなくなって流される俺。


これで、お互いさまで、茉莉香のこと許せるのかな……。

そんなふうに思うなんて、俺、相当、心が弱ってるな……。


高橋さんの体から、俺に対する愛情というか、執着みたいなものを感じる。

さびしくて弱ってる今の俺には、ちょうどいいのかも。


「高橋さん……」

俺が呼ぶと、高橋さんはそっと体を離した。
< 156 / 179 >

この作品をシェア

pagetop