次期社長の溺愛が凄すぎます!
「主任ってば、モテるくせにお高いんですよ! もういい年なんですから、少しは妥協をしなくちゃいけません!」

酷いこと言われてんなーと思いながら、力強くビールグラスをテーブルに置く三島さんに、コテンと首を傾げる。

飲ませ過ぎたかなぁ。

会社の飲み会も、どうしても外せないのしか参加しないから、三島さんの限界がわかんない。

「モテないし、お高くとまってるつもりはないよ。そもそも何を妥協するの」

「おつき合いですよ、おつき合い。藤宮さん、いいじゃないですか。いわゆるお金持ちの坊っちゃんでしょ? つきあって、貢がせればいいじゃないですか」

言っていることはわかるんだけど、藤宮さんの貢ぎかたは心臓に悪そう……というか、桁が怖すぎて確実にハラハラする。

でも、貢いでもらうためにつき合うというのは、違うと思うなぁ。

欲しいものがあったら、自分で稼いで買えばいいんだし、自分の稼ぎで手が届かない物は、結局は身の丈に合っていないってだけの話だ。

「慎ましく、それなりに生きてければいいよ」

「それじゃ老後が寂しいじゃないですか」

「……えーと? 三島さんって、私よりも年下だよね?」

唐突に老後って言われてもさぁ。さすがに私でもそこまで考えていたことなかったよ。
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