次期社長の溺愛が凄すぎます!
「ああ。以前にお会いしたことがある。何故、彼女がここに?」
考えてみなくても、私たちがいるこのフロアは、部外者が立ち寄らないような重役室のエリアだと説明を受けたばかりだ。
藤宮さんが不思議に思うのは当然だよね。
「お久しぶりです。私、今は藤エンジニアリングの総務主任をしております」
そう言った瞬間、藤宮さんの眉がピクリと動いた気がした。
彼は無言のまま、その視線を原さんに向ける。
「春になればこちらから人を送りますが、うちのやり方を先に覚えていただくように、藤エンジニアリングの方に来ていただいています」
「原さんに慣れてもらうだけの話かな?」
「そうなんですが……」
アハハと、原さんが頭をかきながら私を見た。
「人事のことなので、まだ、秘密にしておいてほしいのですが……三月になりましたら辞令がおります」
秘密ですよ~と、人差し指を唇に当てている原さんをまじまじと見つめた。
「私が動くわけではありませんよね?」
「えーと……」
辞令前のことだから言いにくいんだろう。だけど、きっと“飛んでしまう”のは、恐らくうちの総務部長かな。
寒いギャグしか飛ばさない人だけど、そろそろ定年間近なはずだし、月曜日のミーティングも、一足先に戻っていたし。
考えてみなくても、私たちがいるこのフロアは、部外者が立ち寄らないような重役室のエリアだと説明を受けたばかりだ。
藤宮さんが不思議に思うのは当然だよね。
「お久しぶりです。私、今は藤エンジニアリングの総務主任をしております」
そう言った瞬間、藤宮さんの眉がピクリと動いた気がした。
彼は無言のまま、その視線を原さんに向ける。
「春になればこちらから人を送りますが、うちのやり方を先に覚えていただくように、藤エンジニアリングの方に来ていただいています」
「原さんに慣れてもらうだけの話かな?」
「そうなんですが……」
アハハと、原さんが頭をかきながら私を見た。
「人事のことなので、まだ、秘密にしておいてほしいのですが……三月になりましたら辞令がおります」
秘密ですよ~と、人差し指を唇に当てている原さんをまじまじと見つめた。
「私が動くわけではありませんよね?」
「えーと……」
辞令前のことだから言いにくいんだろう。だけど、きっと“飛んでしまう”のは、恐らくうちの総務部長かな。
寒いギャグしか飛ばさない人だけど、そろそろ定年間近なはずだし、月曜日のミーティングも、一足先に戻っていたし。