次期社長の溺愛が凄すぎます!
何故か爽やかに、原さんは微笑んだ。

「私の妻の兄が彼の父親でして。つまりは甥っ子が女性に話しかけてるとか、もの珍しいモノを見てしまいましたから」

物珍しさで個人情報をペラペラ言うのは問題だと思う。

でも、珍しく思われる程、彼は女性に話しかけないってことなのかな。


それよりも、今、サラッと聞き流したけど……。

「原さん、甥なのに敬語なんですか?」

「そりゃそうですよ。会社じゃ、あっちの方が役職上ですし。あ、プライベートなら僕の方が年上ですから叔父さんとして威張ってますよ、もちろん」

「……すみません。ちょっと甥に対する態度ではないと言いますか、違和感拭えなさすぎて混乱します」

「結婚した当初は僕も困りましたが。まぁ、今回の人事で部長になるから、役職は同列に一応なるのかな」

……原さんは、色々と話しすぎじゃないかな。


「コンプライアンス、大丈夫ですか?」

そっと囁くと、原さんは自信満々に頷いた。

「斎藤さん、けっこうズバズバ言いますね。大丈夫です。仕事中はしっかりしています」

「あの、今まさに仕事中なのですが……しかも私は子会社の人間なんですが」

言うと、原さんは頭を抱えてしまった。

「そうか、そうですよね!」

……とにかく、春からはちょっぴり可愛らしいおじさんが上司になってくれるらしい。

かなり心配になるのは何故だろう。









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