次期社長の溺愛が凄すぎます!
「藤宮さんに何を言っても、好きに動くんだろうなぁとか。たまに困ることもありますけど、決定的に嫌なことをされているわけでもありませんし、別に邪険にするほど迷惑じゃないって気がつきました」

それに認めたくはないし、言うつもりもないけど、私自身、楽しんでしまっている。

「それはいいのか悪いのか……わからないな。麻衣子はどこがいつも他人事のようにして流されているようにも感じるから」

そうかもしれない。

だって、頑張って対立するよりは、合わせていく方が何も考えなくてすむし、衝突も少なくてすむでしょう?

こういった考え方は、誰でもするものだと思うな。

それとも、あまりする人はいないのかな。

感情がないわけでもないけれど、私は他の女性の反応と何かが違うというのは、わかってきたのかもしれない。

考え始めると、藤宮さんはエンジンをかけた。

「今はそれでよしとしておこうかな。とりあえず麻衣子、ナビを頼む。どこのドライブスルーに行けばいいんだ?」

「私だってこの辺りのファストフード店がどこにあるのかは知りませんよー」

言いながら、シートに身を預ける。

「ドライブスルーがなければ、看板を見つけ次第、その店に入って買っちゃいましょう。せっかくのドライブなんですし、テイクアウトして車内で食べるって楽しいですよ」

邪気のない笑顔を向けると、胡散臭そうな視線を返された。
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