次期社長の溺愛が凄すぎます!
「なんだろう。麻衣子が何か企んでいるような気がするのは気のせいか?」

「人聞きの悪いことを言わないで下さい。善意はないのかもしれませんが、藤宮さんの人生初のファストフードの感想を知りたいだけですって」

「悪意がないだけましだと思っておくかな」

そうして車が動き出すと、一番最初に見つけたファストフード店に突撃した。

お互いに紙コップのコーヒーとフライドポテト、私は季節限定のオリジナルハンバーガーを、藤宮さんは肉厚ジュージーと銘打ったハンバーガーを頼んで、また車に乗り込み、ちょっとだけ遠出する。

少し遠くに、以前は通り過ぎたベイブリッジが見える。

たぶんここもデートスポットなんだろう駐車場で車を停車して、ふたりで袋を開けて食べ始めた。

「これはこれでうまいものだな」

「おおー。まさかの美味しい発言ですか? 藤宮さん、かなり舌が肥えていそうなのに」

「俺は別に美食家じゃないからな。自分で作ったことはないが、だいたい何でも食べるぞ?」

食に関してはそんなにわがままじゃないらしい。

なんでも食べられるってのは、とても良いことだよね。
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