次期社長の溺愛が凄すぎます!
***


私が構う必要も義務もないんだろうけど、藤宮さんとメールだったり、電話だったりと、やり取りすることが増えた。

父さんの退院の日は、会社まで迎えに来て実家まで送ってくれて……。

でも「今日は家族水入らずだろう?」と遠慮して帰っていく彼に、迎えに行って、送ることが目的だったと後から聞いた。

変な人だなと再認識すると同時に、ちゃんと常識は少なからずあって、優しい人なのかなと思い始めた、そんな数日後。

「いじらしいですねー。藤宮さん。せっせと主任の足になっているんですか」

ランチに誘われて……ないけど、やっぱり三島さんに連れてこられ、ロコモコを食べながら頷く。

「見返りも求められることもないし、ちょっと、良心が痛んできた」

「や―……見返りは求めているんじゃないですか? 具体的ではなさそうですけど、噂とか行動見るからに、藤宮さんって主任を好きなんじゃないですか?」

パクパク食べながら言われてスプーンを持っていた手を止めた。

「……告白はされてる」

「されてるんですか⁉ ちょっと初耳なんですけど!」
< 149 / 197 >

この作品をシェア

pagetop