次期社長の溺愛が凄すぎます!
興味津々だった三島さんに、根気よく聞かれて、いろいろと暴露しているうちに、もの凄く呆れた顔をされてしまった。

「いいですか主任。パーッと束にできるくらいのバラを用意できるはずの藤宮さんが、この間はバラを一輪だけ贈ってきたことを考えると、きっとプレゼントに意味を持たせようとする、メルヘ……ロマンティックな男性なんだと思います」

今、一瞬メルヘンって言いかけたよね?

ともかく、普段の藤宮さんの言動を考えると、へんてこりんとしか言いようがなくて、ちょっと納得いかないところもある。

でも、ロマンティックなところがあるのは知っているから、とりあえず頷く。

「なので、プレゼントには気をつけないと、いいですかー?」

そう言って教えてくれたのが、いい意味では“あなたに首ったけ”。悪い意味だと“束縛したい”だったり。

「ペンダント以外は、そこまで深い意味ないと思うんだよね」

祝賀会の準備だったり、気後れする私に足しての配慮だったりするんだし。まさか“あなたを脱がせたい”とか、いきなり飛躍しすぎだ。

「わかりませんよー。主任が気づかないのをいいことに、藤宮さんが時計とか贈ってくるようなら大変です」

「ちなみに、その意味は?」

恐る恐る聞いてみると、三島さんはニヤリと唇の端を上げる。

「あなたと同じ時を過ごしたい、です。指輪の意味はわかっていますよね?」

「今後は気をつけるようにする」

しぶしぶ頷いた私に、彼女はとても意味深な顔をした。

絶対に気をつける。とりあえずは、何も貰わないを目標に掲げた。









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