次期社長の溺愛が凄すぎます!
***


「バラが三本……」

仕事が終わってスマホを見ると、タイミングよく藤宮さんから連絡がきた。

藤宮さんと電話でのやり取りはしていたけど、ふっと「そういえば」と、思い出したようにの父さんの様子を聞かれたので、苦笑しながら元気ですよと伝える。

あの時、病院まで送ってくれたお礼もまだちゃんとしていないから、その節は……と改めてお礼を言ったら、何故か飲みに誘われた。

こういうのがいけないんだとは思っても、礼儀知らずと思われたくないし、待ち合わせをしたカフェに行くと、彼から可愛らしくラッピングされた赤いバラを渡される。

花の数は二輪じゃなくて三輪。

いきなり数を飛ばして来たけど、花言葉を普通に教えようとした藤宮さんだ、きっとこの数にも意味があるはずだ。

でもわからなーい! さすがに今この瞬間に検索するわけにもいかないよね……。

受け取ったままで固まった私に、藤宮さんは 何故か黒い笑みを浮かべる。

「麻衣子は気にしなくてもいいぞ?」

「私が気にしなくても、藤宮さんはあきらかに、何か意味を持って贈ってくださってますよね?」

「俺が好きでしていることだから、深く考えない方がいい。知ってくれると嬉しくは思うだろうが」

そう言って、飄々とした様子で席を立つ。
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