次期社長の溺愛が凄すぎます!
「何か食べられるのなら食事をして、鎮痛剤を飲もう。シャワーを使うか?」

そんなハードル高いことは無理だ。

いくらこんな醜態を晒しているとはいえ、男の人の部屋で暢気にシャワー借りるほど図太くない。

首を振ろうとして、また頭痛が舞い戻ってくる。

それに気がついたのか、藤宮さんは苦笑して立ち上がった。

「少し横になっていろ。今、タオルを用意するから」

「いいえ、大丈夫です。もう帰りますから……」

「そんな目のままで電車に乗るつもりか?」

どんなに腫れているんだろうか。

違和感があるっていうことは、相当パンパンになっているんだろう。

「でも、藤宮さんに悪いから」

言いかけたら、ストップというように片手を上げられた。

「途中から飲みすぎだとは気づいていたが、泣かせるつもりで飲ませていたのは俺だから。麻衣子が気にする必要はない。それにもう少しいてくれてもいいだろう? 自分の部屋に君がいるのは思っていた以上に気分がいい。とにかく横になって待っていろ」

キリッとした顔で命令して、藤宮さんは部屋から出て行ってしまう。

どうしよう。

ああなると、こっちの言い分なんか聞かないで話を進めてきそうだよね。

藤宮さんは基本的に強引だし。
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