次期社長の溺愛が凄すぎます!
「大まかには祖父の影響だろう。うちのじい様は男尊女卑は古くさいと言うが、女性は守るべきものだと認識している。レディーファーストも忘れない。親父は少し違うがな」

そして、エレベーターが一階に着くと、彼は先に降りて振り返る。

「普段は気を付けているが、プライベートでのコレは癖みたいなモノだから、気にしなくていい。社内だと親父がうるさい」

そう言って手を差し伸べてくる。

「社長がうるさいんですか?」

祝賀会の不機嫌だった社長を思い浮かべながら、するりと藤宮さんの脇を抜けると、ムッとしながら二歩で追い付かれる。

「跡継ぎとして、まわりに隙を見せるなと言われているな。社長業を継いだときには、もう少し柔軟な発想をする人間だったらしいが、歳のせいか、少し頭が固い」

「自分の父親をそんな風に言うもんじゃありません。というか、普通にそんな話を私にしないで下さい。お節介の虫が騒ぎ始めちゃいますから」

マンションを出たところで、また手を繋がれた。

「麻衣子になら、お節介されても俺はいいよ」

「そんなことを言われたら、悪寒が走りますから、封印しておいてください」

「別に妙なことを言っているつもりはないんだがな。とりあえず、クリーニング店はどこだ」

「最寄りスーパーの中にあります。そのあとはどうしますか?」

藤宮さんを見上げると、不敵な笑みが返ってきて……。


少し、嫌な予感がした。









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