キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~


「あ、相川、優愛…です」


カタコトで話し出した彼女は


「こ、これから、よ、宜しくお願いします!!」


と、深くお辞儀をしたんだ。


見たからに凄く純粋そうで"女の子"って感じ。
男は皆、こういう女がタイプだって思えるような見た目は凄く良い女だ。
けど…俺だけは論外。

女は全部遊び。
だからコイツも俺の"おもちゃ"にしか過ぎない。


さて。
これからどうやって苛めてやろうか…。


頬杖を付き、見つめていると、俺の視線を感じたのか、
不思議に思ったのか、彼女は俺の方を見て首を傾げた。


「じゃあ。相川の席は…っと、中山の隣だな」



はぁ…??俺の隣??


俺の隣の席に座っていた奴は、
最近転校していった為、今は…空席。

…面倒くせーなー。
どうせわざと教科書忘れて上目遣いで
"机くっつけて、見せてくれる?"
なーんて、言ってくるんだろうな。

まっ、断る理由もないし、
断るつもりなんかないんだけどね。

これも暇潰しだと思えばいい。


「どうした?相川。早く席に着きなさい」


「あっ、…は、はい…」


戸惑いながらも少し足を動かす彼女。
そりゃそうだ。戸惑うのも無理はない。
むしろ、戸惑うのが当然。

だって…
このクラスは半分空席なんだから。
隣のクラスなんて、いっぱいいっぱいなのに
うちのクラスだけは少人数。
別に最初から少人数だったわけじゃない。
ただ、途中で辞めてく奴が圧倒的に多いだけ。
もちろん、その理由は…イジメだ。
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