私の運命、変えてみせます!
恐怖とはまた違った何か別の感情によって、体はノワールから距離を取ろうと後ずさった。
そんな私を見てか、黙ってノワールはその動きを止めた。
「あなた……一体何者なの?」
疑いの目を向けると、少し驚いたようにおや、と声を上げる。
するとゆっくりと着けていた仮面を外し、胸元のポケットへと仮面を入れた。
露になったその顔に、自然と口が小さく開く。
左の額から耳にかけて薄らと残る傷跡にも目は行くものの、余りにも整ったその顔に反応ができない。
『そうだな……【何でも屋】ってところかな?』
そんな私とは関係なく、至って変わらないその声のトーンでそう告げる。
「なん、でもや?」
『そう。俺は、何でも屋。お嬢さんは消えたいと願った。だからその願いを叶えたまでだ』
願いを……叶えた?
消えたいと確かに思ったことは認めるとして、本当に私は消えたのだろうか。