私の運命、変えてみせます!
すると、ノワールの体がふわりと宙に浮かび上がりそのまま私の方へとやってきたかと思えば両腕を捕まれた。
抵抗する暇もなく、いつの間にかノワールと共に宙を浮いている。
『種も仕掛けもございませ〜ん。正真正銘の魔法ってやつでーす』
「っ?!」
楽しんでいるノワールとは別に、私はどんどんと高くなっていくのに対して声も出ずに震えた。
徐々に強く吹き抜けていく風が、髪を弄んでは頬を触っていく。
掴まれていたのが、逆にノワールにしがみつく形となり自分から密着を求めた。
こんなおかしな所で転落死とか絶対に嫌なんだから!
アトラクションは好きだが、こんな予想もできないスリルは求めたことは一度たりともない。
『どう?お嬢さん、この世界のひん曲がり具合は』
「あなたのひん曲がり具合がよく分かったわよ!!はやく下ろして!」
『ふふ、仰せのままに。お嬢さん』
小さく笑ったかと思えば、そっと私を抱きしめながらその高度を落としていく。