私の運命、変えてみせます!


時折、ほうと声をあげながら手に取る布はどれも真っ黒だ。

呆れながらも私もノワールの隣へ向かい、その布を確かめようと足を動かした。


「あらやだ、素敵な子じゃない」

「ノワール、そんな急に褒めても何も出な――え?」


ノワールに話しかけられたと思ったが、明らか女性の声だ。

でも、ここには私達二人しかいないはず。

一体どこから、と慌てて周囲を確認すると、身なりを確認するために置かれているであろう全身鏡の表面が、波打った。

するとその鏡から青白い光が溢れ出てきたかと思えば、一人の女性の姿が揺れるように映った。

目を擦ってみて見ても、そこに映るのは自分の姿ではなく見知らぬ女性だ。


「ふふ、その反応もとても可愛らしいわね」


鏡の奥にいる女性の口が動き、優しく微笑まれ一歩後ずさった。

そのまま女性は鏡の奥から顔を覗かせてくるかのような動きをしたかと思えば、波打つ鏡からその姿を表した。

目が点になるという言葉はこういう時に使うのが、一番あっているのかもしれない。

恐怖よりも驚きで頭が追いつかない。





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