私の運命、変えてみせます!
一つ頷くと先に歩き出しお店の入口の扉を開け、行こうと促される。
鐘の音が軽やかにまた響く中、私はクロレさんに向き直った。
「あの!ありがとうございました。こんな素敵なワンピース初めて着ました。大切にします」
「本当にいい子ね。大丈夫よ。今のあなたは誰よりも輝いてるから」
「……はい!」
深々とお辞儀をして、着替えたものを持ち直すとクロレさんが魔法を使ってかふわりと紙袋をこちらへ渡してきた。
何から何までありがたい。
ピッタリ荷物が入るその紙袋を抱えながら、もう一度お辞儀をした。
「本当にありがとうございました」
「いいのよ。そういや、あなた名前は?」
「咲です。守連 咲って言います」
「サキ……いい名前ね。いつでも来てね、待ってるからさ」
笑顔で頷き、外で待っていたノワールの元へと急ぐ。
店の外へ出ると、自然と閉まった扉のドアノブが小さく手を振った。
手を振り返して、ノワールの元へと駆け寄るとワンピースが与えてくれた小さな自信のおかげで、自然と笑みが零れた。
「ノワール、ありがとう」
『それじゃあ、次へ向かおうか』
手を差し出されて、その手を優しく取り見知らぬ素敵な世界の街を歩き出した。