私の運命、変えてみせます!
道中でワンピースに似合う可愛らしい編み込みの入った革靴を買ってもらい、賑わう露天で物珍しい美味しそうな物を見つけてはノワールに強請り、この世界を楽しんでいた。
重たかった気持ちはどこへ消えたのだろう。
ワンピースがふわりと風に踊ると共に、私の心も踊った。
そんな私にノワールは嫌な顔もすることなく、私に着いてきてくれる。
寄り道をする私は、もう子供のようにはしゃいでいた。
「ノワール、あれはなに?」
知らない物を目にすると、もはやこの言葉を口癖のように言ってはノワールに尋ねた。
ノワールは全て丁寧に説明してくれて、まるで観光に来ている気分だ。
暖かい日差しに気持ちのいい風は、私の心を春が訪れたように心を踊らせる。
――なんて、清々しいんだろう。
押し寄せていたあの嫌な感情は消えている。
消えたいと思ったのは、もしかしてこの感情を消したかったのかもしれない。