私の運命、変えてみせます!
すると、いきなりパチンとノワールが自分の頬を力強く叩いた。
何事かと身構えるとノワールは優しい笑顔を向けて、私の手を無理やり取った。
『よーし!お嬢さん、準備は整った。ギャフンと言わせてやりましょう!!』
気合いの入りように思わず身を引かせるが、ノワールはそれを許さない。
そっと優しく抱きしめられると、そっと耳元で囁かれる。
『大丈夫。お嬢さんは元から輝いてるんだから。それにこんなに素敵で価値ある人、俺初めて見ましたから』
「ノ、ノワール……」
『だからお嬢さん、どうか負けないで』
微かに震えたその声に、私もノワールを抱き締め返した。
この世界ではきっとこれが応援の仕方なんだろうと、負けじと抱きしめる力を込めた。
じんわりと伝わる温もりを感じながら、強く頷いた。
「大丈夫よ。少し前の私はとうの昔に消えたから」
彼の好きに振り回されてた私はもういない。
変わった私を見せつけてやるんだから。