エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「んん……」

ふと目が覚めると、横には先生の穏やかな寝顔がある。どうやら、眠っていたみたい。

先生と体を重ね合ってから、お互いを抱きしめて、少し会話をしたところまでは覚えているんだけど……。

今は何時だろう。頭を起こし、サイドテーブルに置いてある時計に目をやる。

すると、深夜〇時だと分かり、そっと体ごと起こした。いけない、明日は仕事なのだから、帰らなくちゃ。

それにしても、先生は気持ちよさそうに眠ってる……。まつ毛が長いんだなとか、肌がきめ細かいんだなとか、改めて気づけて嬉しくなる。

本当は、もっと先生の寝顔を眺めていたいけれど、明日のことを考えたらゆっくりできない。

先生を起こすのは申し訳ないから、気づかれないように静かにベッドを降りた。

服を着てヘアスタイルを直すと、寝室を出る。近くでタクシーを拾って帰ろう。

リビングに置いたままのバッグを取りに行くと、カウンターテーブルに置かれたままのお花の袋が目についた。

恵さんという女性からのものだ。彼女のことは引っかかるけど、どういう人なのかまったく分からない。

かといって、先生に聞く勇気もない私は、その贈り物を気にしないようにしてマンションをあとにした。
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