エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
先生は、私のことをそこまで考えて言ってくれていたの? ただ厳しくて、冷たい人かと思っていたのに……。

以前に男の子と話していたときに見せていた笑みから、少しだけ先生の印象も変わっていたけれど。

まさか、そんなに思って言ってくれた言葉だとは思わなかったーー。

「先生……。ありがとうございます。退院まで、精一杯努力します」

「ああ。小松さんが退院して、また活躍できるのを俺も祈ってるよ」

「はい!」

先生が、満足そうに微笑んでくれる。その姿を見ているだけで、私の心は満たされていった。

そして今より、もっと頑張ろうと素直に思えるーー。


あれから十日後。私は無事に退院した。病院の表玄関まで看護師さんが見送ってくれたけれど、堂浦先生は急患対応で最後にその姿を見ることはできなかった。

隆斗先輩とも、お見舞いに来てもらって以来、会うことがなかった。先輩も忙しいのだろうし、偶然の再会だけでも十分に嬉しかったから、思い残しはない。

いろいろなことがあった一ヶ月間だったけれど、私には必要な時間だったと今なら思える。

なぜなら、今まで以上に仕事に意欲的になれたから……。
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