続*もう一度君にキスしたかった

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ぴたっと泣き止んで、ぎゅうっと間宮さんの首筋にしがみつきぺったり寄り添う姿は本当に可愛らしいなと思った。


「悪かったなー、翔は男の人とか苦手だから。朝比奈さんにだけじゃないよ、ほんと」


くくく、と笑いを堪えながら間宮さんはそう言っていたけれど、多分半分以上慰めが入っていたと思う。


急遽病院に行かなければいけなくなったというふたりをその場で見送って、ふうとふたり同時に深く溜息が出た。


「……子供って大変ですね」

「そうだね」


朝比奈さんは、若干疲れた顔はしているけれど、泣かれ慣れているのか諦めを滲ませた苦笑を浮かべていた。
けど、なんだかちょっと落ち込んでいるようにも見える。


「子供って、ほら。男の人より女の人のがなつきやすいイメージですもんね。間宮さんもそう言ってたし」

「……慰めてくれてありがとう」


あ、やっぱり拗ねてた。


泣かれるのはいつものこと、というのはあながち大袈裟でもないようだ。

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