続*もう一度君にキスしたかった


「自分の子供には泣かれないといいな」

「まさか。毎日顔見てたらさすがになついてくれますよ」

「わかった。生まれたその日から毎日抱っこしてあやしてオムツも替えるよ」


あんまり真剣に言うものだから、あははと声に出して笑ってしまった。


この時私は、ごく自然に私と朝比奈さんと、まだ居もしない赤ちゃんの姿を想像してしまっていて。
いつもはきりっとした朝比奈さんが四苦八苦して育児をしている姿を思うととても暖かい気持ちになれた。


「イクメンパパですね。そうしてくれたら、私はきっと大助かりですね」


さらりとそんな言葉が出てしまって、その時繋いだ手がきゅうっと強く握られた。

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