続*もう一度君にキスしたかった
五月、GWが過ぎてからの日曜日。
私の実家の団地は、変わっているようで変わっていなかった。
団地内の公園、棟との間に植えられた木など昔のままなのもあるけれど、ペンキを塗り替えて新しくなっていたり、一階テナントに入っている店が変わっていた。
当然と言えば当然、ふと考えてみれば、三年以上帰っていなかったのだ。
「ちょっと真帆! 本当に大丈夫なの!?」
リビングで父と朝比奈さんが和やかに話をしている。
将来を考えて真剣に付き合っていると、彼は両親に話してくれた。
ただ、それまでにふたりともに仕事が多忙で、すれ違うことも多い。
互いに支え合うためにも一緒に暮らす許可が欲しいと、頭まで下げてくれた。
その姿勢に、両親の方が恐縮しきりだった。
「大丈夫だよ。朝比奈さん、本当に良い人で……」
「そうじゃないわよ、籍ちゃっちゃと入れといた方がいいんじゃないの? あの人に逃げられたらあんたもう結婚できないわよ」
「あー…………はは」
ですよね。
そっちの心配ですよね。