続*もう一度君にキスしたかった

「心配だわー、仕事仕事って結婚する気があるなら仕事は二の次でしょ? 朝比奈さんのお仕事も大変なら支えるのも仕事のうちでしょ」

「いやいや……お母さんずっと仕事してたじゃない?」

「それが原因でイライラしてた自分もわかってるから心配してんのよ」


そうか、ちゃんとそこはわかってるんだ。


「当たり散らされて可哀想だったお父さん」

「お父さんはわかってくれてるからいいのよ。おかげで今は仲良しだしねー」


まさか両親の惚気を聞くとは思わなかった。
そして子供から見て随分不仲に見えていた両親だったが実はそうでもなかったのかと、驚いた。


「今は仕事を頑張って、後はちゃんと、辞めるつもりなの。専業主婦やるよ」

「だったら今辞めたっていいんじゃない?」


< 143 / 166 >

この作品をシェア

pagetop