釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「会いたすぎて・・・
でも、新しい場所で頑張ってるだろうから、最低でも1ヵ月は邪魔をしないために会いに来るのを我慢してたんだけど・・・
来たらダメだった?」
あまりにも、夢で見たような、私に都合よすぎる言葉が聞こえるから
信じられなくて呆然としてしまう。
「ダメ・・・じゃない。けど・・・」
私の「けど」に反応して、響君が慌てて私の頬から手を離す。
「ごめっ・・・嫌だった?」
「ち、違うのっ・・・!!
あの・・・なんか、作業着じゃない響君を見るの初めてだったから、ちょっと・・・緊張しちゃって・・・。」
恥ずかしくて、言葉の途中で視線を逸らした私と
「当たり前じゃん。久々に会うのに作業着なんて格好悪い・・・」と恥ずかしそうに視線を逸らした響君。
まるで
付き合ってもいないのに
付き合いたての恋人同士のような、甘酸っぱさを感じてしまってるのは私だけなんだろうか・・・
何も言えなくて俯いていると、その左手が私の右手を優しく包んだ。
「ディナーでも。一緒にいかない?」
ディナーとか・・・飯でもどう?とかじゃないんだ?
突っこみ所もおかしいのは、最早、緊張マックスのせいかもしれない。