釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~


でも、やっぱり、知らないままでいるわけにはいかない・・・意を決して

響君の携帯を鳴らした時だった。

ドドドドドンンンッッ‼‼

地震かっ!てくらいの部屋のドアを叩く音にビックリして携帯を落とした。

「彩葉ちゃんっっ‼‼」

響君の叫び声と共にドアが開いて、今リアルに見られたくないもの全てが詰まってるこの状況と現状・・・


血相変えて飛び込んできたスーツ姿の響君と

おんぼろアパートに追い討ちかけての、スッピン、部屋着、キモい泣き顔。

「どうして、此処が分かったのよーっっ!」

パニックで泣き叫びながら座布団を投げつける私と

そんな私を冷静に宥めようとする響君。


「待って!落ち着いて!ちゃんと説明するから!」

暴れる私を力強く抱き締める。

最早、暴れないように拘束してるとしか思えない。


「なんで家を知ってるのよっ!

なんで清掃員のくせに作業着、着てないのよっ!」


何が言いたいかも分からなくて、思い付く言葉を思い付いた順番になげつけた。

響君は、私が落ち着くまでずっと、ずっと・・・

ただ、抱き締めてくれていた。


見られたくないものばかり。

知りたくないことばかり。

もしも、響君がそれでも・・・作業着で登場してたら、もうほんのちょびっとだけ、私の出迎えかたも違っていたかもしれなかったのに・・・



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