釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~



「さっき来た外国人の女の人は誰なのよぉ・・・」

もう分けが分からないのに、響君の体温で少しずつ、落ち着いてきてしまう。


「ごめん。彩葉ちゃん。俺、君を騙すつもりなんてなかったんだ。

少しずつゆっくりでいいから、俺のこと知っていって貰おうなんて・・・

甘い考えでいた。」

「じゃあ・・・あの人が言ってた事は全部本当なの?」

涙がぽろぽろ零れて止まらない私のおでこに、響君はコツンと自分の額をあてる。

「あの人がどう、彩葉ちゃんにどう伝えたのかは知らないけれど、俺がちゃんと説明するから。だから・・・

今更なんて言わないで俺の言葉だけ・・・信じてくれる?」

少しだけ考えて、私は小さく頷いた。


そして、日が暮れるまで私達は初めてこんなに真剣にお互いの事を知るための話をしたんだ。


「本当に、響君が社長なの?」

信じられないくらい話が多すぎて、頭の中がこんがらがる。

「うん。ごめんね、隠してて・・・」

「でも、全然イメージが違うしっ、同一人物だと思えないよ。」

「・・・社長の俺にどんなイメージを抱いていたわけ・・・」

「・・・中年のジェントルマン?」

私の答えに、ぶはっと吹き出して笑う。

「中年とは失礼な・・・でも、確かに嫌われたくなくて彩葉ちゃんには特別、優しくしてたかも。」




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