社長は今日も私にだけ意地悪。
いつか社長が話してくれたことを思い出す。

『流れ星は、誰もが一度は見てみたいと思うものだろう。
一度見ても飽き足らず、もう一度見たい、更にもう一度……と追い掛けたくなる。
そんな流れ星のようなアーティストをたくさん生み出していきたい』


今、RED searchは誰かにとっての流れ星になっているのだろうか。



ーーもし、流れ星に何かを祈るなら、私はRED searchの未来を願いたい。


……たけどきっと、願うまでもない。


流れ星に願わなくたって、彼等はこれから日本中でーーいや、世界中で輝いていくと確信出来る。



「……ぐすっ」

「柳葉さん?」

突然泣き出す私を、女性スタッフが心配して支えてくれる。


「大丈夫です、すみません。何かちょっと感動してしまって」

ああ、私ってばカッコ悪い。四人はあんなに頑張っているのに、それを見て感動して人前で泣いてしまうなんて。


一曲目が終わると、信じられないくらいの大きな拍手と歓声が聞こえる。


会場はペンライトの光でいっぱいだった。



間髪入れずに次の曲が始まる。二曲目は最初から歓声に包まれている。



ーーねえ社長。彼等の歌……社長にも届いていますか?

私は社長からの告白より、RED searchを選んだけれど、その理由は社長ならわかってくれますよね。


社長……



私をRED searchのマネージャーにしてくれてありがとうございます。


今はまだ、社長の恋人になることは考えられないけれど、私はずっとあなたが好きです。

もしいつか私が想いを伝えた時。その時も社長が私のことをまだ好きでいてくれたら……


どうか……。



流れ星に語り掛けるように、心の中でそっとお願い事をした。



そして、大歓声の中、RED searchの出番は終了した。
< 127 / 154 >

この作品をシェア

pagetop