社長は今日も私にだけ意地悪。
誰一人本気で言ってなかった……⁉︎ じゃあ、本当に私のことを試すだけの為にあんな提案をしたってこと……⁉︎


「まあ、このステージで歌ったところで、俺達の為に百人は集まらないだろうけどね!」

「〝ステージの前に百人〟と〝会場に百人〟を間違えちゃってるんだね」

「あはは! 南もそう思う⁉︎」


やっぱりこの四人はとても生意気……いや、生意気なんて可愛いレベルじゃない! 酷い!


と、さすがの私も怒りで震えそうになるのを必死に抑えていると。


「俺も賛成。演奏しようよ」

そう言ってくれたのは青野さんだった。
いつも口数の少ない彼だけれど、だからこそその発言に影響力があるのだろうか、三人が同時に彼に目を向ける。


「客層とか動員数とか、俺はそういうのあんまり考えたことない。ただ大勢の人に俺達の演奏をーー凛の歌を聴いてもらいたい」

クールな彼が微かに笑いながら言う。
このバンドのことが大好きで、木崎さんのことを信頼している、それが分かる言葉だった。


「……仕方ねぇな」

はぁっと溜め息を吐きながらも、木崎さんが観念した様に言った。
どうやらステージ出演には全員が承諾してくれた様だ。
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