キミはずっと、かけがえない人



「でも、あともう少し待って」



いつかの時みたいに、懇願する声。

だから、そんな声されると何も言えなくなるんだって。



「ただ一つ言えるのは、亜依が傷つくことはないから」



私が傷つくことはない?

でも、キミの一言で、今では簡単に傷ついちゃうんだよ?



「大丈夫だから」



いつの間にか、布団を剥ぎ取られ直接抱き締められていた。

優しく頭を撫でながら優しく言われるものだから、それで泣けてきちゃう。


結局、私だってズルいんだ。

自分の気持ちを正直に伝えもせず、隣にいることを選んでいる。

現状に甘えている。

もう離れられないんだから。



「結局、泣くんだ」



私の顔を見て、笑いながら言う。




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