キミはずっと、かけがえない人
「亜依、クリスマスの話しをしてもいい?」
「あ、どうぞ」
起き上がれない私は、寝転んだまま彼の方を向く。
彼は、涼しい顔をして起き上がっている。
裸なのが、目に毒だけど。
「平日で仕事だから、早く帰ること。それで、現地集合な」
「え?現地?何で?」
「その方が新鮮だから。着替えて、ココへ来て」
そう指定された場所がまた、庶民の行く場所じゃない。
「だから、普通でいいってば」
「ダメ。この日だけは」
なんて、真剣な目をして言われるものだから、やっぱり嫌だとは言えない。
頷くしかないんだ。
「亜依は、身一つで来てくれればいいから。そんで、全部話すから」
「全部、話す?」
「再会してからのこと。イヤ、以前付き合っていた時からの話しだな」