キミはずっと、かけがえない人



「吐くほど飲んで、飲んで、したら強くなるの?弟がそれやって強くなろうとしてたけど」

「イヤ、飲み方としては良くないだろ。
それで、強くなったのか?」

「分かんない。それから一緒に飲んだことないし」

「でも、亜依の家族ってみんな強かったよな?弟だけ弱いのか?」

「んー、弱いってほど弱くはないと思うけど。うちの家族の中でって話しだし。お父さんは最近、ある程度飲んだら寝ちゃうけど」

「ああ、だんだんそうなるよな。じいさんなんか、まだまだ現役だけど」

「え?じいさま、強いの?」

「誰よりも飲むな。
だから、気に入られるんだよ」

「そこもか……」



もう、気に入られる部分しかないのか。

イヤ、嫌いになってもいいんじゃないかって思うんだけど、そうはいかないらしい。



「だけど、強いと酔わせてお持ち帰りなんて出来ないな」



にっこり笑ってそんなことを言われるけど、お持ち帰りなんて嫌に決まっている。




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