エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
そんなことを言われても……。
急すぎて、答えられない。

頭が真っ白で固まっていると、彼は背中に回した手の力を緩め、私から少し離れた。
そして今度は頬を両手で包み込み、まっすぐな視線を送ってくる。


「ノーと言われてもあきらめるつもりはないよ。あなたの心が欲しいんだ」
「わ、私……」


緊張しすぎて舌がもつれる。

彼は尊敬の対象で、同時に憧れの人だった。
だけど、まさか自分が彼の恋人候補になれるわけがないと思い込んでいたから、そういうふうには見てこなかった。

でも、私も彼と一緒にいると心地いい。
彼の言葉はいつも私の胸の奥まで届き、不安を和らげてくれる。

もしも隣にいられるなら、きっと幸せだ。
私も彼の心が欲しい。


「俺のそばにいてくれないか?」
「私で、いいんですか?」
「あなたじゃないと、ダメなんだ」


彼の熱い視線で焦げてしまいそうだ。
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