エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「……はい」


一ノ瀬さんが私を求めてくれるなら、断る理由なんてひとつもない。

ためらいがちに承諾の返事をした瞬間、彼の双眸が大きく開き、もう一度強く抱きしめられた。


それからどれくらい抱き寄せられていただろう。

激しく暴れたままの鼓動がいつまで経っても収まらず、私は彼のTシャツをつかみ、しがみついているだけだった。
けれども、彼の腕に包まれていると安心する。

何度も失態を見られているのに、それでも好きだと言ってもらえることが信じられない。


「砂羽」


初めて名前を呼び捨てにされ、心臓がドクンと跳ねる。


「このまま帰したくない」


彼の言葉に体を固くする。
ちょっと展開が早すぎてついていけない。


「……なんてな。俺、うれしくて暴走気味だな。大丈夫。砂羽が混乱しているのはわかってる。ゆっくり俺を好きになって」
「一ノ瀬さん……」


私を気遣ってくれる彼の優しさに、胸がじわりと温かくなる。


「その代わり、俺の願いを聞いてくれないか?」
「願い?」
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