エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
それからほぼ一カ月。


「砂羽。大丈夫なの?」


母が心配げに聞いてくるのは、金曜の今晩、アパレル関係の企業が集まるパーティがあるからだ。

このパーティには各社の上層部が出席して、交流を深め合うというのが表向きの開催理由。

でも、ライバル同士の集まりなのだから、他社が次にどんな手を打とうとしているかの探り合いで、険悪な雰囲気になることもしばしばらしい。


とはいえ、我が社のような繊維メーカーにとっては、アパレルメーカーに顔を売るいい機会なのだ。
行かない手はない。


「うん、平気。楽しんでくるね」


橋さんの話では、繊維メーカーの上層部にすこぶる嫌味な人がいて、父もその人には散々困らせられてきたんだとか。

父ですらそうなのだから、私のようなひよっこが行ったら、なにを言われるかわからない。

でも、峰岸織物の伝統を絶やさないためなら、そのくらいは我慢できる。
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