エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「峰岸織物さんの品質には参りました。安易に安いものに手を出さず、こだわりの商品を作り続ける。日本の伝統工芸を守られようとしているお姿には感服します。是非、このまま突き進んでいただきたい」


えっ……。まさかそんなことを言ってもらえるとは。
驚きすぎて声が出てこない。

それじゃあ、あのサンプル、見てもらえたの?


「よろしければ、あちらでもう少しお話を」


一ノ瀬さんは私の背中を実にスマートに押し、場所を移動した。

まるで鈴木さんから離してくれようとしているかのよう。
いや、多分そうだ。
あの嫌味な話が聞こえていて助けてくれたに違いない。


「助けてくださり、ありがとうございました」
「なんのお話でしょう。私は思ったことを口にしただけです」


表情ひとつ変えずクールな一面を見せる彼にドキッとする。


「そのお着物は、峰岸織物さんの自信の一作、でしょうか?」
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