エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
まさか、あの手紙が功を奏したとは。


「しかも、その手紙に切手が貼られていないことにしばらくしてから気づいて、どうしたのか秘書に聞いたら、毎回本人が届けに来ているって。そりゃあびっくりしたよ」


私は読んでもらえていたことに、びっくりだけど。


「それだけじゃなく、俺の乗っている車を見かけると、走って追いかけてきたりして」
「気づいていらっしゃったんですか?」
「あぁ。また転ばないかひやひやしてた。でも、アポイントなしの面会を認めていると収拾がつかなくなるから。悪かったね」


手紙を届けに行ったとき、数回、彼が乗っている車を見かけて追いかけた。だけど一度たりとも間に合わず、話すチャンスすらなかった。


「アポイントを断られてしまっていまして……」
「稲田に?」
「はい」


彼は小さなため息をつく。
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