エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「こんなときに商談するのは本当はイヤなんだけど、あなたがあんまり熱いから」
「商談?」
「そう。スケジュールを確認したら、来週の火曜に十六時から一時間だけ時間が空いている。もし都合がつけば、工場にお邪魔させてもらえないかな?」
「工場に?」


びっくりするような申し出に、声も大きくなる。


「あぁ。言葉でこういうのが欲しいと言っても、うまく伝わらないことが多くて。できる限りたくさんの布を見てみたいんだ。思いがけない出会いから、新しい洋服が生まれるかもしれないしね」


まさか、あのブランピュールのトップデザイナーが、峰岸織物の商品に興味を示してくれるの? 

しかも、自ら工場に足を運んでくれるなんて、夢でも見ているかのようだ。

ブランピュールに起用してもらうために営業していたとはいえ、まさか、だったので声も出ない。


ガバッと起き上がると、ベッドに座っていた彼は驚いた様子で体をのけぞらせる。


「あ、ああありがとうございます」
「うん。でも、今はもう少し休んで」


彼は優しく微笑み、私をもう一度ベッドに寝かせてくれた。
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