エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
彼はソファに深く腰掛け、平然とした顔。

『たまには』って、そんなに簡単に言うけど、私が普段利用する部屋の宿泊料とは、二けた位は違いそうなのに。


「でも、私がご迷惑をおかけしたんですし」
「ここは甘えるところだよ? 峰岸さんは頼るのが下手すぎるって言ったでしょ?」


本当にいいのかな。
ためらいはあるものの、彼の親切を踏みにじるのもはばかられる。


「すみ……ありがとう、ございます」


謝りそうになってやめた。
彼は謝罪を望んではいない。


「それに、峰岸さんの着物姿を見て、インスピレーションがどんどん湧いてきてるんだ。デザインが浮かぶなら、これくらい安いものだよ」


彼が口元を緩める様子を見て、ホッとする。

門前払いに、嫌味、そしてときには罵声。
最近はそんなことばかり経験していたので、人の笑顔がこんなに心地いいことを忘れていた。
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