赤ずきんと狼王子
 新聞を毎日とっている村民以外は、買いたい日にだけ新聞屋に買いにくる。
 新聞は決して高くはないのだが、毎日購入するほどの余裕もないので、ローラは新聞をとっていなかった。
 というわけで、マルグリットとともに新聞屋にやってきた。


「今朝の新聞、一部ください」


 ローラが五十ルテを差し出すと、新聞屋のおじさんは「はいよ」と一部渡してくれた。
 新聞特有のインクの香り。久しぶりに嗅いだ。なんだかすごくいい香りのように思えるから不思議だ。それも、いまのこの気分があってこそのものだろうか。


「早く早く! 開いて!」

「えっと、どこだろう」


 急かすマルグリットに、ローラも慌てて記事を探す。
 えーと、くじの当たり発表……くじの当たり発表……。


「あった!」

「何番!?」


 一周回って、灯台下暗し。当たり番号は一面にでかでかと載っていた。
 そしてローラとマルグリットは、ふたりとも息を呑んだ。
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