【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「ほらね、ーー流された」
上から溢れ落ちてきた低い声に、ハッと我に返る。
私から離れて、立ち上がるミア先輩が手を伸ばしてきた。
私はその手を無視して、自力で立ち上がり。
スカートについた砂を手で払って、脱げかけたローファーに、きちんとかかとを入れる。
「最低ですね、ミア先輩。
そんなに私をからかって、楽しいですか?」
先輩ってほんと、意味分かんない。
この数分の間で、私のこと弄んで。
嫌い。ドキドキした自分が、バカみたい。
てかバカだよ。
「ミア先輩なんて、綺麗なのは顔だけだよ」
「それって褒め言葉?」
「違う!!」
駄目だ、もうずっと、この人のペースのまま、乱せない。
いつの間にか、夕日だって沈んでいて。
辺りは真っ暗で、ザワザワと風で揺れ動く木に生えている草が、夜の世界に喜びを感じ始めてる。