【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。




「いい詩。恋に落ちるのに早いも遅いもないの。
 好きになる気持ちなんていつだって自分勝手なんだから。
振られた次の日に他の誰かを好きになることもあれば、この先一生誰も好きになれないことだってあるの」


「…」


「あんた、ひどいことされても。
 それでもミア先輩を好きになった。
 立派じゃない、強いのよ、あんたって。
それだけでトラウマに勝ったようなもんなんだから自信持ちな」




まい実ちゃんはいつだって私の味方だった。


今だって、そんなまい実ちゃんに救われてる。


いつもふざけて笑っているくせに
真剣な時は誰よりもちゃんとしてる私の親友。



だからまい実ちゃんの言葉はいつだって信用できるんだ。




「まい実ちゃんって、たまにミア先輩と同じくらいズルい時あるよね」


「そう?」


「うん」


こくりと頷くと、まい実ちゃんは笑って、ソファの背もたれに体重を預けた。



「最初はさ、詩がミア先輩と知り合いって知ったとき。
 どう2人を引き離そうか考えてたの」


「なんで!?」


まい実ちゃんの言葉に驚いて、勢いよく立ち上がったせいで、手に触れた紙コップを倒してしまう。


だけど中身は入っていなかったから、こぼれてない、セーフ。





< 131 / 309 >

この作品をシェア

pagetop