【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「いい詩。恋に落ちるのに早いも遅いもないの。
好きになる気持ちなんていつだって自分勝手なんだから。
振られた次の日に他の誰かを好きになることもあれば、この先一生誰も好きになれないことだってあるの」
「…」
「あんた、ひどいことされても。
それでもミア先輩を好きになった。
立派じゃない、強いのよ、あんたって。
それだけでトラウマに勝ったようなもんなんだから自信持ちな」
まい実ちゃんはいつだって私の味方だった。
今だって、そんなまい実ちゃんに救われてる。
いつもふざけて笑っているくせに
真剣な時は誰よりもちゃんとしてる私の親友。
だからまい実ちゃんの言葉はいつだって信用できるんだ。
「まい実ちゃんって、たまにミア先輩と同じくらいズルい時あるよね」
「そう?」
「うん」
こくりと頷くと、まい実ちゃんは笑って、ソファの背もたれに体重を預けた。
「最初はさ、詩がミア先輩と知り合いって知ったとき。
どう2人を引き離そうか考えてたの」
「なんで!?」
まい実ちゃんの言葉に驚いて、勢いよく立ち上がったせいで、手に触れた紙コップを倒してしまう。
だけど中身は入っていなかったから、こぼれてない、セーフ。