【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。






「だってさ、女が放っておかない様な人が、詩を相手にするかって思ったの。
 遊ばれてるんじゃないかって」


「……」


「だけど、斉藤先輩から助けてくれたのは、ミア先輩だって話聞かされたとき。
 ただのモテ男がそこまでするか?って思ったの」


「……うん?」


「鈍いわね、詩。
 そんなの、気に入ってなきゃ助けてくれるわけないでしょ」


「えっ」


「最初から、気に入られてたんじゃないの、ミア先輩に」



さっきから、私がポカーンとマヌケ面を晒してるのをいいことに。
私のポテトをひょいひょい食べていくまい実ちゃん。


でも怒れない。


そんなことより、言われて初めて気づいたことに、頭は真っ白。


ミア先輩の中で、からかってる=お気に入り


……なのか?



「まい実ちゃん……それが本当なら
 愛情表現ヘタクソすぎない?先輩」


「人間に好かれても、多分犬や猫には嫌われるタイプだね」




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