【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
まい実ちゃんと、ミア先輩の話題で笑い合う。
先輩の話でこんなに盛り上がれるんだ。
先輩がどんな人だとか、こういうところで変なクセがでるとか。
いろんな先輩を知って、そんな先輩の話をするとキリがなくて。
先輩のことを話してて楽しいだなんて……
そんなの好きじゃなきゃ味わえない感情だと思う。
うん、わたし……先輩のことが好きだ。
認める。認めて、自由になろう。
それでも先輩を傷つけたことに変わりはないから
もう一度話し合って……『大嫌い』の言葉を取り消さなきゃ、絶対後悔する。
「まい実ちゃん……私ミア先輩と明日にでも決着つけてくる」
「そっか、頑張んないとね」
「もし先輩に振られても……伝えたことに意味があると思うから」
そう言うと、まい実ちゃんは嬉しそうに私と目を合わせる。
「詩のその一生懸命さに、ミア先輩も惚れたんだと思うよ」
「……そうかな?」
「そうよ、きっと。いや、絶対」