【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。





ラブレターを入れようとしているところを見られて恥ずかしいなんて思っていたけど。


先輩にそんなところを見られていなかったら
きっと関わることもなかったと思うから。


私の"恥"が次の恋へと繋がった。


あのラブレターは意味をなしたんだ。
無駄なんかじゃなかった。



「っと、そろそろ帰ろっか」


まい実ちゃんが、急に窓から差し込むオレンジ色の光の濃さに気づいて、腕時計を見る。


もう帰る時間みたい。


話してたら気づかないうちに、時計の針は私達を置いて進んでいく。


チョコレート色のフードトレイを持って、食べ終えた後に残るゴミを片付けようとしたとき。


「……っ!?」


ちょうどお店の中に入ってきた人を見て、反射的にテーブルの下へしゃがみ込んでしまった。



そのまま寝そべるようソファに体を戻すと、身を潜めながらもう一度店内を見渡す。



同じ体勢で隠れているまい実ちゃんも、気づいたみたい。

今さっきお店の中に入ってきた
店の出入り口近くの席に座っている男女。


その中の1人はミア先輩だった。




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