【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「どっ、どうしようまい実ちゃん……!」
「私だって分かんないわよ……!
どうしよう、隠れたせいで余計出るに出れなくなったじゃない!!」
ひそひそ話で話し始める私達を、近くに座っているお客さんや店員さんが白い目で見てる。
チラッとミア先輩の方に視線を戻すと。
「まさか美秋が誘いに乗ってくれるなんて~」
「ほんと嬉しい~、いくら誘っても美秋私達と遊んでくれないんだもん」
「ちょっと!美秋だけじゃなくて俺もいるんだけど~」
完全にミア先輩目当ての女の人たちは、分かりやすく制服のボタンを開けて色気で誘っている。
ミア先輩の隣に座っている男の人は、それを見てだらしない顔を見せているのに。
ミア先輩ときたら。
女の先輩の色気に誘惑されず、つまらなそうに欠伸をしているから、女の人たちがちょっと可哀想だ。
同情すると同時にホッとした。
ミア先輩だって男なんだから、正直女の部分を見せられたらグラッときちゃうんじゃないかって、心配したけど。
そんな心配する必要なかったみたい。