【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「俺、最近フラれちゃったんだよねー。」
ミア先輩の言葉に、私もまい実ちゃんも、先輩の友達も皆驚いて目を見開く。
「えっ!?美秋が振られるってどういうこと!?」
「美秋を振るなんてありえないんたけど。誰よその贅沢な女」
「お前でも振られることってあんのかよ……」
信じられないと、皆がミア先輩を見つめる。
ミア先輩は目を細めながら、目元に影を作り、笑っていないくせに無理やり口角を上げる。
「ついつい可愛すぎていじめちゃってたから、嫌われて当然なんだけど。
『嫌い』から『大っ嫌い』に変わるってことは、もうおしまいって事だよね~。
完全に嫌われちゃった」
わざとおどけて言うミア先輩。
……ちがう、嫌いなんて、大っ嫌いなんて嘘なの。
先輩気づいてよ。
いつも私の心先読みするくせに
なんでこんな時に限って分かってくんないの。
先輩のこと、ちゃんと好きだよ。
好きだから、先輩が合コンに行くって聞いたとき焦ったの。
やだ……やだよ先輩。
こんなに好きにならせておいて、ずるいよ。
話もしないで終わるなんて……そんなの絶対嫌だからね、私。