【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
悲しいって気持ちが、今にも爆発してしまいそうで
震えている私を慰めようと、そっと肩に触れてくるまい実ちゃん。
意味がわからない。
私に関わってきたのは先輩のくせに
終わりにするのも先輩なの?
嘘じゃん……。
私を好きだなんて、嘘だったんだ。
からかわれた、いつもみたいに。
きっと遊んでたんだよ、私で。
じゃなきゃ……好きな子に、そんな冷たい態度とらないでしょ?
ねえ先輩
遊びだったんなら、言ってよ。
『嫌い』だって。
そしたら意地でも諦めてあげるから。
先輩のこと……忘れることができるから。
こんな終わり方、全然スッキリしない。
溢れ出てしまいそうな涙をとめようと、必死になって目頭に力を入れる。
先輩の姿を目に入れないように、前だけを見つめて、お店から出た。
帰り道を歩いていると。
「大丈夫?」なんて。
私と同じ様に今にも泣いてしまいそうなまい実ちゃんが、そう聞いてきたから。
「大丈夫だよ」と、強がりで答えた。
家に帰ると、すぐに湯船に浸かり、涙を隠した。
もう何も考えたくなくて、その日は早めにベッドに潜り込む。
それでもやっぱり、ミア先輩のことを考えてしまうこの頭は。
切なさで埋めつくされてしまっている。
どうしようもないって……わかってるくせにね。